人気ブログランキング | 話題のタグを見る

プロの領域

昨日も古くからの友人と飲んだ。


東京のある、大手販売会社の課長だった男である。


誠実にして優秀な男で、業界でも有名。


メーカーの教育センターのインストラクターもやっていた。


しかし、ある分野の専門家と言うだけでは、その会社では課長以上に出世できなかった。


そのうち「上が支えて、下が上がれない」と言うことで、


他の部署に放り出されてしまった。


入社以来、その道一本でやってきたのに、50歳を過ぎての部署の移動は可哀想である。


 


大丈夫かな?


 


と思っていたら、日本海側の某県から移転の葉書が来た。


同業種の販売会社に移籍し、そこで元と同じ部門の部長に収まった。その後、出世して役員にもなった。


 


そして、去年、役員定年を迎えて東京に帰って来た。


 


彼との対話。


 


どの業種でも「ここさえ押さえておけば、トラブルは発生しない」という部分がある。


これが分かっているのがプロである。


しかし、それが分かるには経験が必要だ。


その経験は、数々の失敗から会得するものである。


 


素人は、その勘どころが分からないので失敗する。


どんなに耳触りの良い、素晴らしい企画書であっても、


それが失敗するのは、最初から分かる。


素人は、プロを旧守派と呼び、新しい領域に挑戦しないと非難する。


そして、チャレンジして見事に失敗する。


 


その後の後始末は、いつもプロがやらされる。


 


彼が、他の販売会社から呼ばれたのは、


この後始末と組織の建て直しであった。


by yuyuu-yano | 2010-01-15 11:33
<< ほとんど報道されない社団法人改革 官僚支配と言う嘘に騙される人達 >>