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私の「奇妙な事務所の午後」(1)序文

五木寛之に「風に吹かれて」というエッセイがある。


「風に吹かれて」は、ボブ・ディランの初期の代表作であるが、この題名をタイトルにした五木のエッセイは、最初は週刊誌に連載されていたと思う。


 


なぜなら、私はそれをラーメン屋で読んだからだ。


深夜営業のラーメン屋には漫画、週刊誌、スポーツ新聞が置いてあり、客はラーメンを啜りながら、それを読む。


週刊誌はラーメンの汁と手垢にまみれて、非常に汚い状態になっているが、そんなことを気にする上品な客は、深夜のラーメン屋にはいないのである。 


 


「風に吹かれて」は五木の最初のエッセイで、400万部のベストセラーになったと言う。


しかし、書籍を買おうという気は起こらない。


ラーメン屋で、たまたま読むのに最適な軽いエッセイでもあった。


しかし、この軽さが、実は難しいのであるが・・・。


 


さて、私がある日、深夜に醤油バター・ラーメンを食べていると、その文章はあった。


それは「奇妙な事務所の午後」という題名である。


これを読んで、「ああ、五木も若い頃は私と同じようなことやってたんだなあ」と思った。


当時、私は最初に勤めた会社を辞めて、次が見つからず、まさに、風に吹くまま、気の向くままに、様々な仕事を請け負い、なんとか食いつないでいたのである。


 


先日、本屋に立ち寄った時、急に、その時の記憶が蘇った。


そこで、文庫本のコーナーで「風に吹かれて」を立ち読みした。


 


すると、ありました。「奇妙な事務所の午後」という章が(当然ですけど)。


 


読んで見ると、五木が短期間勤めた「奇妙な事務所」と、私が短期間勤めた「奇妙な事務所」とは、少しばかり内容が異なっていた。


 


今日から、私の失業時代の「奇妙な仕事」について、何回か書いてみたい。


 






 


ボブ・ディラン「風に吹かれて」


by yuyuu-yano | 2009-03-07 10:04
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