今年も電通の「日本の広告費」2008年版が発表された。 今年のニュースは「推定範囲の見直し」である。
以下のような会話で、見直しが行われたと想像される。 なお。毎度のことながら、全くの想像であり、現場を取材したものではありません。 このドラマはフィクションです。
ある日の夕方。某社の事務所にて。
部下「やばいっす」 部長「どうした」 部下「テレビと新聞の落ち込みが大きすぎます」 部長「そうだろうな・・・・・」 部下「これだと、広告業界が縮小したと思われます」 部長「それは業界のイメージダウンとなるな、どうにかならんのか?」 部下「どうにもならんです。あのテレビと、あの新聞では」 部長「それでは数字を偽装しようか?」 部下「さらにまずいでしょう。誰もこの数字を信じなくなります」 部長「ううむ、困ったのう」 部下「あ・・・良い方法があります」 部長「なんじゃ・・・」 部下「他の媒体を膨らませましょう。フリーペーパーなど、今まで調査してない媒体があります」 部長「おお、それは良いな。調査範囲を拡大して、より正確を期したということにすれば、誰も文句は言うまいて・・・・ほほほ」 部下「ところで、部長、いつもの台詞は・・・」 部長「越後屋、そちも悪よのう・・・か」 部下「それが、最近は越前屋に変わったのです」 部長「それにしても、越前屋さんはどこに?」 二人「心配じゃのう」
上記の会話と関係なく、電通が発表した、2008年版の媒体別シェア。シェアの大きいベスト8を掲載したので、ラジオなど泡沫媒体は消える。
2006年のエントリーで掲載したグラフと比較すると・・・
2006年推定値はテレビと新聞で半分近くを占めていた。 2008年は雑誌の推定対象誌を追加した。 今まで歯牙にもかけなかった専門誌と地方誌を追加。
屋外、交通、折込、DMは推定範囲を拡大。 例えば、交通は今までは鉄道・バスだけだったが、空港・タクシーを追加した。
そして、フリーペーパー、フリーマガジンの広告料を追加。 なんと、これが5%もあり、雑誌に迫る勢い。
実は、最初に米国に出張した1980年代の最初、驚いたのはフリーペーパーの多さであった。 街角の新聞スタンド・・・と思うと、そこにはフリーペーパーが置かれている。 それも、広告だけでは誰も持っていかないので、ちゃんと記事が掲載されており、地元密着で面白い。 広告もクーポンが付いていて、実際に使える。 キングバーガーの「ポテト無料」とかのクーポンである。
ところが日本はフリーペーパーのスタートが遅れたと思う。今後は、新聞の折込み広告の分野を、記事内容に優れるフリーペーパーが、とってしまえば、共同通信の支配にある地方新聞は壊滅的な影響を受けるだろう。
ネット世代で、ブログなどの若き論客は起業してフリーペーパーの市場に参入してはどうだろう。 新聞購読の理由が、折込広告とテレビ覧だけになっている現状の中で、記事が読まれる媒体なら、広告を出したい企業も増えるはずである。
by yuyuu-yano
| 2009-03-02 09:38
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by 矢野友遊 カテゴリ
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