中小零細企業が構成員である業界団体の事務所に、昨年10月31日からスタートした、緊急保証制度のパンフレットが山積みされていた。
「このパンフレット、会員に配りましたか?」 「いや、予算が限られていますので、郵送料が出ないのです。事務所に立ち寄った会員が、もって行くだけです」
業界団体というと、官庁から天下りが来る様な「羨ましくも恵まれた団体」は、ほんの一部である。 殆どは、業界内のメンバーだけで運営されており、収入も会費だけである。 職員は業界の長老で、年金を貰いながら、わずかばかりの賃金で、なかばボランティアに近い形で運営している。 欧米の業界団体も、同様のスタイルが多い。
「この保証制度、大部分の人が知りませんよ」 「そうですね。ほとんど報道されていませんからね」 「この制度を知っていたら助かる人が多いのに残念ですね」 「会長も、地区の会合に出た時に、この件については話すようにしているのですが、全国各地に行くわけではないので限界がありますね」 「インターネットが発達しているけど、全員が見ているわけではないですから」 「貧乏な業界は貧乏な業界団体しか持てません。それだけ不利なのです」 「せめて、マスコミが少しは報じてくれるとありがたいのですが」 「首相の漢字の読み間違いばかり熱心に報じてますから無理でしょう」
この緊急保証制度は、資金繰りに困った企業に対し、所在地の信用保証協会が100%保証してくれる制度である。
中小企業の場合、2期も赤字が続くと銀行は金を貸してくれない。社長の田畑、自宅を担保に金を借りるか、保証人を立てなければならない。 今の時代、保証人になってくれる人など居ない。 その代わりに、中小企業を支援することを目的に設立された信用保証協会が、100%保証してくれるのだから、この厳しい時期、本当にありがたい制度である。
麻生内閣は、9月のリーマン・ショック直後の緊急対策として、この制度の導入を決め10月31日にスタートさせた。 スタート時に用意した信用枠は6兆円。 これが中小企業の年末資金繰りに大いに役立った。 昨年内に6兆円の枠がほぼ満杯になった。 そこで年明けから第二次補正予算で新たに20兆円の信用枠を確保、さらに、10兆円のセーフティネット貸付をプラスして、総額30兆円の枠組みを確保した。
対象となる中小企業者は、指定業種に属する事業を行っており、
特殊な業種で、対象業種に含まれて居ない場合も、絶望する必要はない。セーフティネット貸付けは業種を問わず利用できる。
詳細は以下のホームページに記載されている。
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/kinkyuhoshou/index.htm
by yuyuu-yano
| 2009-02-25 01:01
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by 矢野友遊 カテゴリ
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