毎年、12月29日頃に友人と忘年会をやっている。大学の同級生の忘年会が発祥であるから、すでに30年以上も続いていることになる。 メンバーは一流企業の幹部から、中小企業、零細企業、個人営業まで。業種も多岐にわたるので、情報交換会としても十分に役立つ。
今回の話題は、やはり金融危機の影響と今後の対応である。 9月15日以前は、経済が加熱気味で忙しかったのは同様。 リーマンショック後の世界は一変して、国内で稼ぐ利益より海外利益の比重の大きな企業は、10月、11月と赤字決算になった。
ニューヨークに株式を上場している会社は、毎月決算なので、数字が良くわかる。 12月はまだ出ていないが、赤字であるのは間違いないだろう。
9月から事業の全面的な見直しが始まる。 設備投資の中止は、仕掛り状態により調整が必要になる。 しかし、ほぼ全ての設備投資計画が、鉄鋼など諸材料が最も高騰していた時期の見積りであるため、企業側は「何としても止めたい」のだが、ゼネコン側は「既に材料を購入している」と激しく抵抗する。 鉄スクラップは暴落したが、新品の「鋼材」は北京オリンピックの終了後も価格は高値安定していた。この高い材料を買い込んだ上で、設備投資計画が延長されたら、ゼネコンは再び地獄に落ちることになる。 しかし、この攻防も年内にほぼ終了している。
なお、鉄スクラップの暴落は、中国より「韓国の経済危機の影響」というのが、専門家の見解とのこと・・・確かに北京オリンピックが始まる前から暴落している。
麻生首相の評価は、実業の世界では高い。 「対策が早かったね、驚いた」というのが皆の実感だろう。 リーマン・ショックから1ヶ月後の10月16日の第一次補正予算で、中小企業への総額9兆円の緊急保証枠、貸出枠が設定された。 マスコミは殆ど評価せず、報道もしないが、業界毎の様々な会合を通じて広報され、これが年内にほぼ消化されてしまった。そこで、1月5日提出の第二次補正予算で40兆円追加される。 さらに総額75兆円の緊急経済対策が12月末にはほぼ固まった。
首相官邸のホームページ参照↓
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2008/12/24kaiken.html
麻生首相の評価は実業の世界では高いが、エコノミストや経済学者には低い。丁半博打の金融経済を潤すような施策が皆無であるからだ。 年末、金融経済の評論家の講演を聞きに言ったら「これほど経済の分からない首相は初めてだ」と最大限に非難していた。 しかし、今回の金融危機を予測できなかったのはエコノミストであり、それを防ぐための警鐘も鳴らさず、実効性のある提案も全く行っていない。 金融経済の専門家としての反省は全く無い。 外れた時は姿をくらます競艇場の予想屋と全く変わらないのである。 その点はマスコミの経済記者も同様である。
by yuyuu-yano
| 2009-01-03 14:28
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by 矢野友遊 カテゴリ
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