東京は一割市場と呼ばれる。 日本の人口は1億2700万人である。 東京都の人口は1246万人である。 一割のちょっと掛ける(9.8%)が、ほぼ一割である。 これは、例えば全国で100万個販売する計画の商品があれば、東京では10万個を売らねばならない・・・と言うことである。
もちろん、商品の性格により、多少の差異は出る。 所得階層の違い、年齢階層の違いのより差が出るが、 これらを考慮しながら調整しても、ほぼ誤差の範囲に治まるものだ。 米国市場は日本より難しいが、一方でマーケティングに役立つデータが豊富である。 そもそも、市場により、顧客の想定年収が決まっている。 このショッピングセンターは「年収200万円の層をターゲットにしています」とか「ヒスパニック系住民が主要顧客です」など、明確に決まっている。 そのため、ヒスパニック系住民の市場に出荷する商品はスペイン語の表示のみでOKである。印刷インクが勿体無いので、英語や韓国語や中国語の表示は不要である。
所得階層、人種、宗教がマーケティングの重要なファクターであるものの、それでも、販売計画と実績は、ほぼ誤差の範囲で治まるのである。
ところが・・・・中国はこの手法が機能しない。 ある商品は全国でこれだけ販売されていると、中国政府発表のデータにある。 すると、この町の人口はこれぐらいだから、ここでは、これぐらいの数の商品が売れているだろう・・・と、現地ヒアリングを行うと、全く異なる数字が出てくる。多くが、かなり少ない。
確かに所得の格差が大きい。 人口も良くわからない・・・・流入人口がある。
しかし、それでも差が大きすぎる。 政府の公式発表の数字が大き過ぎるのではないか? そう疑問を持って過去のデータを調べていくと、商品により、ある年に突然2倍弱になるなど、どう考えても変なところがある。
経済が高度成長で倍倍ゲームだ・・・と言われればそれまでだが、どうも役人が 「これ、ちょっと少なかったかな」 「うんだ」 「じゃ、2倍にしとこう」 「2倍じゃ不自然なので、少し減らそう」 てな具合に増やしたのではなかろうか?
このように疑うのは以下の逸話があるからだ。
毛沢東は1958年から中国の農業と工業を大増産させる「大躍進政策」を推進した。 マルクス主義の理論に従い、集団農場化を進めれば生産力が上がり農作物の大増産が可能のはずであった。しかし、結果は2000万人といわれる餓死者を出す大失敗に終わった。 これだけ悲惨な状況が進行しているのに、党の中央は、この事実に気が付かなかった。 なぜなら、地方政府からは「目標を超える生産を達成」との報告が、次から次へと寄せられたからである。 どの地方も、目標を軽くクリアするので、さらに目標は引き上げられた。報告は「真っ赤な嘘」だったのである。
by yuyuu-yano
| 2008-09-16 00:03
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by 矢野友遊 カテゴリ
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