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ファンダメンタルな価格は50~60ドル<エネルギー問題のお勉強⑧>

中長期的に見れば、確かに原油の需給はタイトになる可能性はあるが、現状はどうか?


 原油が高騰した2005年以降、消費国における在庫、OPECの余剰生産能力が著しく悪化しているわけではない。

現物の石油が市場に不足する事態になったことはない。



米国の原油・ガソリンの在庫推移を見ても、WTIの高騰とは無関係に安定している。



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やはり、
需給バランス以外の要因(投機マネー)が作用していた可能性が強い。


 需給バランスで決まる価格を「ファンダメンタルな価格」とし、投資マネーの流入、将来への不安感、思惑などの影響でプラスされる価格を「プレミアムナ価格」とした場合、どのようになるか? 

 資源エネルギー庁は「20
08年版資源エネルギー白書」で以下のような分析を行っている。



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原油先物価格が100ドルに迫った
07年後半の時期、ファンダメンタルな価格は5060ドルであり、プレミアム価格は3040ドルに達していた。乖離は2倍近くに達していたのである。


その後、原油先物価格はさらに上昇し140ドルを超えた。ファンダメンタルを60ドルにしても、すでに2倍を越えている。 

また、WTIの先物市場を分析すると、非当事者が大幅な買い越しとなっていて、当事者は売り越になっている。

投機資金がどんどん買って値を上げるのを、プロが売って消火作業に努めているが、買いの圧力が強すぎて上がっているのが分る。非当事者は1億6000万バレルの大幅買い越しである。




原油高騰への投資マネーの影響については不透明であり、わが国の提案によりIEA(国際エネルギー機関)において調査が開始された。


by yuyuu-yano | 2008-07-15 00:59
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