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全人代開催中の北京・天安門近景

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北京では5日から18日まで全人代が開催されている。

中国は「プロレタリア独裁」の国である。

人民の代表である全人代(全国人民代表大会)に全ての権力が集中している。

全人代は
立法権を持ち、国家主席を選出し、

行政のトップである国務院総理を任命し、

さらに司法のトップである最高人民法院・最高人民検察院のメンバーを選出する。



日本や欧米で採用されている立法・司法・行政の「3権分立」は、

権力が集中し過ぎて暴走することを防ぐために採用された知恵である。

しかし、中国はマルクスが唱えたプロレタリア独裁のまま走り続ける。

さらに、第四の権力と呼ばれるマスコミも完全に共産党のコントロール下にある。

国のテレビ局である中国中央電視台(CCTV)はもちろん、地方政府のテレビ局も全てが中国共産党宣伝部の指導を受けている。



圧倒的な権力の集中。

暴走したら止める者、諌める者は現体制の中には存在しない。



全人代は毎年3月に北京で開催される。

メンバーは全国各省、直轄市、自治区、及び軍の代表により構成される。

メンバーは3000人弱。



メンバーは直接選挙で選ばれるのではなく、地区細胞が委員を選び、委員がさらに委員を選び・・・といった間接選挙で選出される。

任期は5年で、
今年は改選期に当たる。



全人代の期間は北京はどこも満員である。

全国から3000人の代表が集まるだけではない。

当然、代表の部下や関係者も北京まで付いてくる。

さらに、地域の有力者が集まる機会を利用して、様々なイベントが開催される。

ホテルや食堂が満員なのは当然なのである。



全人代は天安門広場の前の人民大会堂で開催される。

大会中は天安門周辺の警備が厳しくなり交通規制も実施されピリピリした雰囲気。



写真では観光客と思われる人々が多く歩いているが、中央の毛沢東肖像画の周辺は人民解放軍が多数、展開しており彼らのシュプレヒコールが周囲に響いている。



ホテルの帰ってテレビを付けると全人代のニュースが中心で、後は暗い歴史ドラマばかりである。中国は新しいものと古いものが混在しいるが、政治意識は、この暗い歴史ドラマの時代(19世紀から20世紀初頭)のままである。



国内・海外の情報は殆ど無い。

テレビを見ている限りは、日本の様子も世界のニュースも全く分らない。



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天安門前広場は立入禁止。中央に見えるのが人民英雄記念碑。その後方は毛沢東記念堂。


by yuyuu-yano | 2008-03-16 15:42
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