海外から帰ってくると、日本の緑に感動する。 これだけ緑の豊な国土を持った国は無い。 禿山もなく、砂漠も無い。 首都・東京も緑にあふれている。 日本は緯度の高い欧州と比較しても、日照時間が長く、 降水量は世界平均の2倍もある。 また、雨季・乾季がなくて、雨は年間を通して降り続ける。 日本の耕地は欧州に比べても肥沃であり、 さらに国土が南北に長く、様々な作物の育成が可能である。 欧州は夏季は寒冷で、降水量が少ない。 米国も豪州も概ね温暖ではあるが、ロスの郊外は砂漠である。 ラスベガスの周辺では蠍も出る。 豪州は内陸部は砂漠である。 中国も砂漠が多く、降水量は極めて少ない。 内陸のゴビ砂漠のみならず、全国的に砂漠化が進行し北京の郊外まで砂漠が迫っている。 いつも水不足に悩み、さらに水が悪い上に最近は急激な工業の発達と公害対策の遅れで汚染されている。 ああ、それなのに穀物自給率は日本が一番低いのは何故か? 高度成長期に需要の拡大する農作物の生産を増やし、 輸入品と競合する作物の生産を減らしたからである。 米は国内で作る。 大豆、小麦、玉蜀黍は輸入品と競合するので縮小。 そのかわり畜産と果物は今後の需要拡大を見込んで増産した。 ところが食生活の変化で、食料自給率がほぼ100%の米の需要が減り、 輸入品と競合するので諦めた大豆、小麦、玉蜀黍(飼料)の需要が拡大した。 そこで、自給率が減少したのである。 しかし、大豆、小麦、玉蜀黍とも米作に比べれば、遥かに作りやすい。野菜も米作に比べると作りやすい。問題は人である。 全国各地に耕作放棄地が急増(農業人口の半分以上が65歳以上)している現在、その土地を借りて作れば増産は可能だろう。 輸入食品の価格が上昇すれば国産品の価格競争力が出てくる。 価格と安全・味は反比例することを消費者が理解し、それで商売になるのなら、あとはチャレンジする人が出てくるかの問題だと思う。 耐久消費財が普及した現在、家電もクルマも売れていない。 こうした時代に高品質食料品は可能性がある。 一番の問題は農地が少ないのではなく、農業をやる人が少ないことである。 ・農業人口の半分以上が65歳以上 ・専業農家が少ない・・・兼業農家、自給農家が増加 ・耕作放棄地が急増・・・以前は耕していたが、今は土地を寝かしている。 ・農業の後継者不足で土地持ち非農家が急増(全農地所有者の25%以上) なお、政府は2005年に「食料・農業・基本計画」を策定し、 2015年までにカロリーベースの食料自給率を45%に、生産額ベースの食料自給率を76%に、主食用穀物自給率を63%に引き上げる目標を提示した。 しかし、この計画をさらに加速する必要がある。 ・消費者が国産品を求め、選んで購入する ・加工食品の原産地表示を強化する ・外食産業の食材への原産地表示基準を策定し導入する 以上に取り組めば、国土が圧倒的に広い豪州、米国、カナダのようには行かないが、少なくとも欧州諸国と同様の自給率の達成は可能と思われる。 北欧のスェーデンでも84%のカロリーベースの自給率を保持しているのだから。
by yuyuu-yano
| 2008-03-02 16:44
| 祖国
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by 矢野友遊 カテゴリ
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