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銀行員との対話

銀行員と話すのは、資金繰りの相談とか、

長期金利の「利息、負けてよ」というお願いとか、

あまり楽しくない話ばかりだが、

その合間の雑談はそれなりに参考になる。



彼らの持ってくるマクロ経済指標は気休めにもならないが、

彼らは、他人の会社の決算書を、常に多量に見ているのだ。

会社が借金する場合だけでなく、

取締役以上が個人的に借金する時でも、会社の決算書が必要だ。

サラリーマンと違い、取締役には何の保証もないのだから。

失敗すれば、それでお仕舞いである。



中小企業担当の地区廻りの銀行員が

急に忙しくなったのは2003年頃からだと思う。

それまでは、誰も金を借りてくれない状態が続いていた。

「景気良くなりましたね。どこの決算も良いですよ。

だから銀行員は、町を皆、走ってますね」

銀行員は、町を歩いていても

商売敵の他社の銀行員が分かるらしい。

同じ背広を着ていても、あれは銀行員だと直ぐ見抜けるようだ。

これが2003年頃の話。



最近の町の様子はどうか?

銀行員が来たので聞いてみた。

「最近の状況は?」

「内需ですね。これからは内需だとは聞いてましたが、いまや内需、真っ盛りです」

「そんなにすごいの?」

「大手が国内に新工場を作るでしょ。

すると、関連会社も設備投資が必要になるのです。

すると、その関連会社の下請けさんも設備投資が必要になって、その数が多いものですから、

我々も忙しくなるのです」

「中国から撤退もあるでしょう」

「中国で成功した人はいるのでしょうか?

私共も、多くの会社でお話を聞くのですが、

成功したという話は聞きません。

進出の時は良い話(条件)ばかりだけど、

その時の約束が反故にされたとか、

信じられない話ばかり聞かされます」

「中国で失敗したけど、国内で頑張るから金利まけてね・・・という話ですか?」

「そうですね。でも国内は国内で人手不足が深刻。

最大の心配はそれですね」

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銀行員が心配する人手不足も問題。

昨日、静岡から客人があり雑談した。

「景気はどうか」

「横須賀にあったトヨタ系の関東自動車工業が、

富士の裾野に引っ越して来て、

大きな工場を作ったでしょ。

これに加えてスズキが、県内の分散している工場を集めて、効率的な新工場を作るとかで、

もう工事がはじまってる。

3000人の雇用とか言ってますが、

工場で働きたい人は3000人おらへんで・・・」



失業率は減ったとはいえ4%。

働く人は余っているようにみえるが、

フリーターの人達は、

一定の会社に拘束されて働きたくないので、フリーターをやっているのであり、工場なんかで働きたくないのである。



農林水産業の衰退も、後継者難(人手不足)からである。

製造業は、この問題をどう解決するのか?




by yuyuu-yano | 2007-02-16 03:32
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