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コロンボの女の子(6) 後日談

結局、僕らはオバハンに、店から追い出されてしまった。


翌日、先生に報告だけはしておいた。


その後、女の子は「知り合いの家に預けている」は嘘だったことが判明する。


店の二階に住んでいて殆ど家から出ないが、時々、店の周囲や〇〇銀座通りで一人で遊んでいるらしい。


学校が嫌いというより、オバハンが面倒臭くて行かせないだけのようである。


この時代は家の手伝いで学校を休む子が多かったので、不登校でも目立たなかった。


そもそも、ランドセルなど持ってる子は居なくて、布の袋に教科書やノート、筆記用具を詰めて通っていた。


教科書が買えない場合は支給されるが、ノートや鉛筆や消しゴムは支給されない。


そこで隣の席の子に借りるのだ。私の隣の席の子は、何も持ってないので、鉛筆を貸して、消しゴムは共用した。


 


給食費が払えない家の子は、昼休みは何も言わずに消えた。


私が親しくしていた子は、給食の時間に席に居なかった。


ある日、どこに行ったのかな?と思い、教室の窓から外を見ると、鉄棒のところに彼が居た。一人で鉄棒の練習をしていた。


給食の片付けが済み、彼が教室に戻ってきても、何もいえなかった。


また、クラスに1人は風呂に入らないので臭う子が居た。


本人は風呂が嫌いだから入らないと言っていたが、本当は親に彼を銭湯に行かせる金が無いのかもしれない。


こうした臭い子も、喧嘩になると臭いが武器になるので無敵であった。


 


喧嘩は多かったが、陰湿な虐めは無かった。


あれば子供会のリーダーが止めに入るので、直ぐに収まるのである。


 


by yuyuu-yano | 2012-03-06 21:03 | 少年時代
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