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弱者連合としてのフランチャイズシステム

米国の流通業者を訪問した経験によると、


御社はフランチャイジーですか?も、


御社はフランチャイザーですか?も


聞いてはならない失礼な質問なのである。


 


「当社は全米に1000店舗を展開している」


 


「フランチャイズですか」


 


「馬鹿にしてはいけない。全部、直営店だ。当社のシステムはあまりに素晴らしいので、もしFC展開をやるのなら、私が退社して、金を借りてでもやりたいが、当社その気は全く無い」


 


一方、小売店に行って・・・。


「御社はFC店か?」と聞けば


「冗談じゃない。当社は独立系である。見れば分かるでしょ」と叱られる。


 


要するにFC店は、


自分で全国に直営店を展開できない弱い卸売業者と


商売の才覚が乏しく、自力で地域市場で商売できない小売業者の弱者連合なのである。


 


見れば分かるでしょ?


確かにFC店は、なんとなく薄汚れて元気がない。


 


「何だ、この客が入ってない雰囲気の煤けた店は?」と聞くと「FCだよ。行っても無駄さ」となる。


FCは基本的に本部指定の商品しか仕入れない契約なので、行っても無駄なのである。


 


FC店でオーナーに話を聞いたことがある。


「本部からの購入品は安いのか?」


「そんなに安くはない」


「何故、FCに入っているのか?」


「システムだ。このシステムの通りにやれば赤字にはならない。ワシは自分ではシステムを組めないので、助かっている」


「本部の方針通りにやっているのか?」


「そういう契約だ」


「本部に文句は言わないのか?」


「言わない」


「本部のシステムで赤字になったら?」


「そりゃ怒る」


「怒ってだめなら」


「その時は別のFCに乗り換える」


 


このようなオーナーばかりなので、店が煤けて見えるのは、仕方が無いことだ。


 


この弱者連合のFCが日本に入ってくると、一挙に広がってしまった。


最初の頃のマニュアル通りの顧客応対も、やがて臨機応変を導入するようになる。


臨機応変可能なようにコンピューター・システムを組み替えたのだ。


 


残念なのは日本の独立系業者の元気が無いことだ。

FCは基本的には弱者連合である。


 


リスクは自社負担でチャレンジする独立系業者が少ないと市場は画一的になってしまう。


 


 


by yuyuu-yano | 2011-11-22 12:50
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