ロビンソン・パットマン法をご存知ですか

ロビンソン・パットマン法については過去に何回か紹介した。繰り返しになるが、ここでもう一度、概要記しておく。


 


独禁法の中のロビンソン・パットマン法


 


米国市場は、早くから独占禁止法の厳しい規制の中で市場が発展して来た。


すでに米国では戦前からチェーンストアの展開が始まり、独立の業種店を圧迫してきた。


こうした中で、小規模零細店でも大手と対等に競争が出来るようメーカーと流通業者間のルールが決められたのである。




これに対して戦後の日本は大規模店舗法の規制により中小零細の業種店を守ってきた。


これは対症療法でしかなく、大規模店の進出を難しくさせるだけで、「商取引に対する根本的な規制」が行なわれたわけではない。


このため大規模店舗の規制緩和が行なわれると文字通りの弱肉強食となり、零細の業種店は、ほぼ消え去った。


 


米国の独禁法は各種の法律群からなり、その運用は判例にゆだねられている。


 


◎シャーマン法(1890年)

アンチトラスト法の中核をなすもので商業活動を制限するあらゆる形式の結合または共謀を違法とするもの。


価格決定に関する協定、契約なども該当する。


 


◎クレイトン法(1914年)及びロビンソン・パットマン法(1936年)


不公正な競争方法を違法とするもので、価格問題としては同種同等の製品の対価を買受人によって差別(割引リベートを含む)することを違法とするもの。


 


◎連邦取引委員会法

 個々の取引行為が自由競争の観点から認められるものか否かの判定を裁判所よりも、経済活動事情に明るい人々から構成された委員会に委ねるための法律。


商業における不公正な競争方法、不公正な偽満的行為及び慣行を違法とする原則に基づき活動し、極端な価格競争、再販売価格維持行為なども監視の対象となる。




 ロビンソン・パットマン法




この中で、特に商取引に関わるのは、ロビンソン・パットマン法である。

これは1936年にクレイトン法(反トラスト法)の商取引の部分が改正強化されて制定されたもので、別名チェーンストア価格差別法とも呼ばれ、当時台頭の著しかったチェーンストアから独立の零細小売業者を保護する目的により制定された。




ロビンソン・パットマン法はメーカーの提供する価格が大手流通業者に有利である当時の状況を考慮して、独立小売業者が対等な立場で競争しうるよう、
メーカーに次の4点における価格差別を禁止している。


 


 


なお同法はメーカーの販売を規制するに留まらず、卸売業者が小売業者に販売する場合にも等しく適用される


 


価格差別を禁ずるとは「同じ価格で卸売しなければならない」と言うことだ。


 


小売店は大手も中小も零細も、同じ条件でメーカー、問屋から商品を購入できるのなら、零細業者も勝ち目が出てくる。顧客対応を良くする。アフターサービスを完璧にする。イベントに工夫する。センスの良い品揃えを考える。商品説明能力を向上させる。・・・・こうした努力で大手と対等に戦える。


 


日本は、このような法律がないので、同じ商品でも仕入価格は店舗により異なる。


 


 


それでは4つの条件とは何か?




(1)同等級、同品質の商品を販売する場合




ここでいう同等級、同品質とは、内容物の物質的同一性、つまり科学的分析の結果、同等級、同品質であれば、同事項に該当する。

プライベートブランドについても1964年にボーデン社のプライベートブランド品(濃縮ミルク)が連邦取引委員会より同法違反で訴えられ、中身が同じナショナルブランドとプライベートブランドを差別価格で出荷することが違法となった。


この事件の後でナショナルブランドメーカーがPBを作るケースは非常に少なくなり、もし、つくる場合には小売業者や卸売業者が設定した仕様(スタンダード)による生産を実施するようになった。


一方、ナショナルブランドメーカーが、量販店のニーズに合わせて安く出荷しようとすれば「一般ルートに通常価格で出荷している商品と同等級、同品質の商品」は出せないことになる。


このため同一メーカーの商品であっても松竹梅の明確な品質格差を付けざるを得ないのである。


米国では有名メーカーの商品だからと言ってグレードを無視して購入すれば後悔する。多くの場合、価格に比例した品質しか期待できないのである。


 


(2)実質的に競争を緩和し、もしくは独占を形成する可能性がある場合


特定の購買者に対し低価格販売を行なうことにより、その購買者と競争関係にある業者が競争上不利になり、競争が阻害される場合、仮に低価格が合法的手段に拠り得られる場合でも違法となる。


 


(3)方法あるいは数量の違いにより発生する、商品の製造、販売及び配送に伴われるコストの差異に相当する部分が値引き幅として提供されるのでない場合


価格の差異は純然たるコストの差異によらなければならない。


連邦取引委員会や裁判所が要求しているコストの立証は極めて高度なもので、特に、製造及び販売に関するコストの差異の立証は殆ど不可能に近い。


この条項があるためボリュームディスカウントは大きな制限を受けている。(大量に買うから安くしろというネゴは制限される)


 


(4)競争相手の低価格に等しく対応するために、善意により提供されるものでない場合


競争関係にある小売業がある商品の低価格販売を行い、その価格が当該小売業の出せる範囲を越えている場合、その小売業は状況をメーカーに説明することにより、競争に対処するための善意による低価格を受けることができる。


小売業者が実際は存在しない自分に不利な競争状況を作文し、メーカーに低価格を要求するケースが増加してきた。もし、虚偽の申告であることが判明した場合には、メーカーが処罰されるのではなく小売業者が処罰される。

        


 


 


[PR]
by yuyuu-yano | 2012-06-21 10:54
<< 罰金を払うような話なのか? 何故に人糞で汚染されるの? >>