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海外で取材を受けた時の事(とりあえず1)

日本では全く無いが、海外では新聞社の記者から取材を受けたことがある。


業界団体主催の講演会で話をしたのだが、


これを聞きつけた記者が何人かアプローチしてきた。


媒体は大手から零細まで様々だ。


時間が無いので、2人を選ぶことにした。


当然のことながらプロポーサル(貴方に会いたいという手紙)が届いている。


それを読んで2人を選ぶ。その他、大勢は書類審査で落ちたので面接まで行かない。就職試験と同様だ。


 


面接まで行っても入社できるとは限らない。


取材の場合も、当然、テストがあるのだ。


 


レスリングの試合を見ていると、まずは相互に手を合わせる。それから、技の掛け合いがあり、相手の実力を推し量る。


この段階で、どちらが実力があるかは一瞬で判る。


手を合わせている選手の間でも判るし、長年、試合を見てきた関係者でも、傍で見ていてわかるという。


しかし、実力が上でも勝負に勝つとは限らない。勝負はそれからである。


 


商談でも同様だ。


最初から商談に入るのではなく、相手のレベルを確かめるため雑談する。


「こいつは、どの程度の人間なのか?」


それを確認しないで商談には入れない。


雑談は真剣勝負である。


ここでは名刺に書かれた肩書きなど、何の役にも立たない。


 


相手の社内での地位が高いのに、雑談試合で「実力無し」と判断されたら、「この会社は付き合わない方がよかろう」となる。


 


相手の社内での地位は低いのに、雑談試合で「実力有り」と判断されたら、「この男は、この男の会社で主流なのか?傍系なのか?今後、どうなるのか?」を確認するために「飲み」を誘うことになる。


 


 


相手の社内での地位が低く、雑談試合で「実力無し」と判断されたら、「この程度の人間を差し向けるとは当社も馬鹿にされたものだ」と怒り商談は決裂する。


  


取材も全く同じである。

出会い頭の言葉のジャブで、相手のレベルは判る。


「こりゃだめだ」という記者には、無難な返答をして、早々にお帰り頂く。


「お、こいつは骨がある」という記者には、深い話までして、相手の意見も聞くし、彼の持つ情報を求める。

取材と言えども有効な討論になる。このような記者の話は、また聞きたいので、「いつでも電話してくれ」と告げることになる。



基本は誰もが「世の中を良くするために何を成すべきか」を考えるべきであり、そのためには多くのディスカッションが必要なのである。記者に求められるのは、これを繋ぐ作業であり、問題点の整理である。


 


しかし、そこに至るには、記者は自分自身の人格、知識、見識を高める努力が必要だ。それがないと有効な取材は出来ないということである。


by yuyuu-yano | 2011-10-23 16:27
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