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理由(わけ)

理由


 


菅内閣発足以来、国難ともいうべき事態が続いており、内閣の要であり、実質的に内閣を取り仕切っているといわれる仙谷大臣の官房長官としての責任は極めて重大である。


菅内閣では、仙谷官房長官が実質的に重要事項の決定を主導しており、最近では法務大臣、拉致問題担当も兼務することになったが、仙谷官房長官が内閣の中枢に居座ったままでは、現状の打開は望むべくもない。


 


以下、仙谷官房長官を問責する理由を、列挙する。


 


第1に、「尖閣諸島沖中国漁船衝突事件」における極めて不適切な対応である。


 


公務執行妨害で逮捕された中国人船長の釈放は、那覇地検が「わが国国民への影響や今後の日中関係を考慮」して判断したとしているが、このような重大な外交上の判断が一地方検察庁でなされたと信じる者は誰もいない。


 


総理、外務大臣が国連総会で不在の中、官邸の留守を預かる仙谷官房長官主導で釈放の政治判断が行われたと考えざるを得ない。


 


しかし、仙谷官房長官は、釈放は那覇地検の判断であったとの強弁を繰り返している。


仮に、一行政機関である那覇地検が外交判断による釈放を行い、それを政府が是認したとすれば、検察が外交を行ったという日本外交史上、例を見ない越権行為が民主党政権下で行われたことになる。


 


逆に、官邸が那覇地検に釈放の圧力をかけたとすれば、仙谷官房長官は虚偽の答弁を重ねてきたことになる。


どちらにしても、この件を主導してきた仙谷官房長官の責任は重大である。



 


さらには、諸外国に対してわが国の正当性を訴えるために戦略的に使われるべきであった衝突時のビデオは、官房長官の主導により長期間非公開にされ、事件発生から50日間を経て、ようやく6分50秒に編集されたものが国会に提出されただけであった。


 


仙谷長官の誤った対処により、わが国は貴重な外交カードを失ってしまったのである。


 


一連の対応により、失われた国益は大きい。


 


さらに政府が国会に提出したビデオの6倍以上にわたる2回の衝突の時間を含む44分間のビデオが一海上保安官の手で出し、全世界で視聴可能な状態となった。


 


仙谷官房長官はビデオの国会提出にあたり書面で「慎重な扱い」を求めていたにもかかわらず、政府内では情報管理を行っていなかったことが露呈した。


 


本来公開すべきビデオを公開しなかったからこそ起こった問題と言わざるを得ない。この責任も重大である。


 


加えて事態発覚後は「政治職と執行職」という詭弁を弄して、自分たちの責任を海上保安庁長官一人になすり付けようとしたことも糾弾されるべきである。


 


第2に、国権の最高機関たる国会を愚弄する、暴言、失言の数々が繰り返されていることである。


 


菅総理自らが今国会冒頭の所信表明演説で、熟議の国会を呼び掛けているにもかかわらず、指名されてもいない仙谷官房長官がしゃしゃり出て、話をすり替え、恫喝し、また答弁席からやじを飛ばすなど、国会軽視もはなはだしい。


 


また、報道に基づき質問した質問者に対して、自らも過去に何度もの質問をしていたことを棚に上げて「最も拙劣な質問」だと侮辱し、予算委員会民主党も賛成した議決に基づいて呼んだ参考人に対して疑義を唱え、さらには恫喝を加え、内閣のスポークスマンとしての官房長官の資質を疑わざるを得ない。


 


第3に、日本国憲法に抵触する発言を繰り返し、憲法順守の義務に違反していることである。


 


中国漁船衝突事件のビデオ公開関連の「厳秘」書類を予算委員会で撮影された際に、自らの危機管理の甘さを恥じることもなく、「盗撮」呼ばわりし、取材規制の強化を振りかざし報道の自由を侵害しようとした。


 


また、国会の外においては、自衛隊の施設内での民間人の発言を規制することを認めるなど、仙谷官房長官は憲法に定める表現の自由の侵害に加担している。


 


仙谷官房長官は自衛隊を「暴力装置」と発言した。


学生時代、社会主義学生運動組織で活動していた仙谷長官にとっては、日常用語であるかもしれないが、平和憲法に基づき国家の根幹である国防を担い、国際貢献や災害救助に汗をかく自衛隊を「暴力装置」と侮辱したことは、決して許されるものではないし、自衛隊を「暴力装置」と表現することは、憲法9条をはじめとする日本国憲法の精神を全く理解していないということである。


 


第4に、国会同意人事案件に対する怠慢である。


 


民主党政権は、今次国会召集からかなり日時を経た、10月半ばに5機関11名について提示した。


 


これらはすべてが任期満了か、既に辞任した空席を補充するための人事であった。


 


さらに今なお再就職等監視委員会の人事については提示さえしてきていない。


 


さらには、この同意人事の国会議決がされていないにもかかわらず、次の人事を提示した。


 


これらを長く放置していたことは国会軽視、政府の怠慢以外の何ものでもない。


 


同意人事を担当する官房長官の責任は重大である。


 


第5に、北朝鮮による韓国・延坪島砲撃事件における危機管理能力の欠如である。


 


北朝鮮の砲撃開始は午後2時34分であるが、菅総理は砲撃を3時半ごろ報道で知り、官房長官もほぼ同時刻に第一報を東京都内の私邸で受け取っている。


 


総理が官邸に入ったのは午後4時45分、仙谷官房長官は同50分である。


総理、官房長官ともに、砲撃から2時間以上、一報を受け取ってから1時間20分経過してから官邸に入っている。しかも官房長官は総理より遅い登庁である。


 


仙谷官房長官のその傲岸不遜な発言、失策の数々には、与野党を問わず、批判が集中している。


 


一刻も早く、官房長官が職を辞すことが、菅内閣による日本の国益への損失を少しでも抑えることにつながると確信する。


 


以上が本決議案を提出する理由である。



by yuyuu-yano | 2010-11-26 22:42
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