私が米国市場で一番最初に訪問した会社は、典型的な独立系の中小企業であった。
社長室に入るとクラーク・ゲーブルに似た、背の高い、背広の着こなしの良い男が出てきた。
握手をした。 悪戯っ子を思わせる少年のような目をしていた。
「当社の専務を紹介する」
部屋の奥の方から女性が出てきた。
握手をする。
「彼女は私の妻でもある」と社長。
社長とは対照的な、地味で堅実そうな女性であった。
「それから、当社の優秀な営業部長を紹介する」
若い男が登場。握手をする。
「彼は、私の長男である」
その時、専務(社長の奥さん)がタイミング良く合いの手を入れる
This is Family Shop
そこで一同、爆笑した。
それから社長が「社内ツアーに行くぞ」と宣言。 日本でも社内ツアーが大好きな中小企業の社長がいるが、まるで変わらない。
何でツアーに出かけるのか? それは、社長が社員を自慢したいからであるが、他にも理由がある。 第三者の目を通して社内を見てもらい感想を聞きたい。 これもある。 でも、一番大きいのは、これを機会に社長が社員と情報交換してコミュニケーションを深めることにある。 「分からない事は何でも聞いてくれ」というのは、社長も社員の説明を聞きたいのである。
それぞれの部門で責任者が出てきて、仕事の内容を紹介する。 こちらは「客層」「混雑時間」「売れ筋商品」「在庫管理の考え方」「粗利」「顧客サービス」など、次々に質問する。
社長は従業員にとても気を使っており、キーマンだけではなく、新入社員には「会社に不満は無いか?困ったことがあれば俺に言ってくれ」と話し、第一線から外された年配の社員にも声を掛け、悩みでも聞いているのか、小声で長く話し込んでいる。
その社長に「社員の評価基準はどうなっているのか?」と聞いてみた。
「一番、重要なのはチームワークである。だから個人で評価をしないで、チームで評価するようにしている。 社員はチームに分かれている。フットボールのチームのような感じで、攻める人も守る人も同じように重要なのだ」
社長が、そのように説明すると、一人の社員がフットボールの真似をして、「我々はフットボール・チームである」とデモンストレーションした。
米国の中小企業も、欧州の中小企業も、日本の中小企業と変わらない。 これが中小企業のグローバリゼーションである。
by yuyuu-yano
| 2010-08-10 11:15
|
by 矢野友遊 カテゴリ
全体 ゴジラ 宇宙戦艦ヤマト 007は殺しの番号 ハリー・ポッター バットマン ヴィスコンティ マリリン・モンロー ヘップバーン タンゴ シャンソン ボサノバ JAZZ 絵画 クラシック音楽 サン・サーンス アメリカン・ポップス 露西亜音楽 日本の音楽 世界の音楽 ロック 泰西映画 日本映画 国内出張・忙中閑有 東京 少年時代 祖国 伝統・感謝・祈り 悠々な生活 食道楽 社長太平記 インドシナ 露西亜 yuyuu動画 ショパン 未分類 以前の記事
2015年 07月 2015年 03月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 more... 最新の記事
記事ランキング
フォロー中のブログ
外部リンク
ファン
最新のトラックバック
検索
ブログジャンル
ブログパーツ
メモ帳
その他のジャンル
|
ファン申請 |
||