今、様々な企業で10年後のビジョンを作っている。 こういうのは、いつでも作ってるのだが、政権が交代して、日本市場が今後、どうなるのか不透明のため、様々なシュミレーションをやることになる。
下表は、あらゆる需要のベースとなる建設投資の推移である。 建設は土木・建設業界のみに金が回るだけではない。 材料を作る業界、運ぶ業界、建設機械、トラックメーカー、家具、重電、家電製品、電気・水道・ガス業界、不動産業界に至るまで、大きな需要を生む。
この建設投資は1990年代の前半は80兆円前後であったが、1992年をピークに、一挙に落ち始め、その後、どんどこどんどこと落ちて、今や半分の40兆円となっている。 1993年は宮沢内閣の末期であり、日本新党が成立し、政治改革が行われて、現在の衆議院小選挙区制度が議論されていた。
この建設投資は、建築と土木に分かれる。 建設・土木とも民間投資と政府投資がある。
青い線が民間投資である。 赤い線が政府投資である。 民間投資が旺盛な時期は政府投資は少なくても良いが、 民間投資がダウンすると、政府投資を増やして景気対策を行った。 1998年までは、政府はその対応を行ったが、1999年より方針が変わり、民間を上回るベースで投資額を減らしていった。自民・自由党・公明党の連立で小渕第二次内閣成立の年である。 そして2003年以降は、さらに縮小が進む。 これが小泉構造改革の時代である。 そして2009年に、わずかながら戻るには麻生氏の経済対策。2010年は、子供手当てや高校無償化に税金を投入するので、建設投資はさらに削減である。
建設投資の推移とトラック販売台数。 あまりに見事に同じカーブを描く。 トラック販売のみならず、様々な建設資材も、ダンプカーの運転手も、同じように凋落の一途である。
米国の高速道路は景気が悪くなると穴だらけになり、とても危険だ。日本も、この調子で建設投資を抑制すれば、同様になるだろう。 壊れたものを修復するにはとても費用が掛かるのだ。
by yuyuu-yano
| 2010-07-12 21:35
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by 矢野友遊 カテゴリ
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