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「さくら貝の歌」と八洲秀章

「さくら貝の歌」は、子供の頃、母が良く歌っていた思い出の曲である。母は女学校の合唱団の出身で、良く声が伸びた。

「本当はソプラノなのに、入団テストの時に津川先生の前であがって声が出ず、メゾソプラノに回された」といつも言っていた。

津川先生とは、多くの賛美歌を訳している津川主一である。


 


「さくら貝の歌」は、八洲秀章(1915-85)が戦時中に作曲したが、約10年間、お蔵入りとなっており、昭和24年にNHKの「ラジオ歌謡」として小川静江の歌で放送された。


 


美しき 桜貝ひとつ

去り行ける  きみに捧げん

この貝は   去年の浜辺に

われ一人   拾いし貝よ


ほのぼのと うす紅染むるは

わが燃ゆる さみし血潮よ

はろばろと 通う香りは

きみ恋うる 胸のさざなみ


ああなれど

わが想いは儚く

うつし世の渚に果てぬ;


 


 

鎌倉の浜辺を彷徨しながら失ってしまった恋人を思う唄である。


メロディもセンチメンタルにして清浄。

昭和40年頃に賠償千恵子が歌いリバイバルした。

 






by yuyuu-yano | 2010-02-11 23:41 | 日本の音楽
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