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小料理屋の主人との対話

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かつて国金だった政府系銀行へ融資の申し込みに行った帰りに、昔馴染みの小料理屋に寄った。


 


「どうも」


「やあ、お久だねえ」


 


・・・主人は御節料理の準備に忙しい。


ここの主人は内容充実、原価高すぎで・・・女将さん激怒のお御節を毎年、一万円で販売している。


 


「これは子持ち鮎。今の季節しかない食材だ。これを御節に入れるのよ・・・」


 


・・・それから借金の話になる。


 


「どうしたの、どこかに寄った帰り??}


「国金へ融資の相談」


「最近は国金も貸さなくなったね」


「そうなの」


もう、全く駄目よ。昔はねえ・・・こういう商売だとお客さん最優先だから、大きな宴会が入り、借金の返済に行けないことがあった。ちょっと遅れる・・と電話掛けてるとOKだったが、今では全く許してくれない。


少人数でやってるので、こちらも準備で多忙。それに商売には波があるものなのです。急に客が来たり、何故かこなかったり・・・・サラリーマンじゃないんだから。


こういうのを面倒見て呉れるのが国金でしょう。常に予定通りに返却できるなら、普通の銀行から借りれば良い」


「そういう融通は全く効かない」


「結局、小さな料理屋を潰そうという意図なんでしょうね」


「小泉構造改革は、このような意図で行なわれたと思うよ」


「最近はね、個人営業だと店舗も借りられなくなった。だから借りているのはFCチエーンだけだよ。」


「画一化された味と、出所不明の材料・・・ああいう店しか残らない」


毎日、築地に行って料理人の目で材料を仕入れる・・・江戸の料理人は店をタタムしかない」


全ては竹中が悪いんだ」


「これで消費税が上がれば、壊滅だね」


「欧州のレストランは壊滅したからね。店で食べれば消費税20%、自炊なら食材は無税・・・これで残れる店は金持ち相手の高級店のみ」


美味しい伝統料理を、庶民の出せる価格で・・・という俺のコンセプトは・・・ついに終わりだ」


 


「今回、国金に行ったのは信用保証協会に断られたからだ」


「ああ、あそこも駄目だね。金を返せない奴が多くて、不良債権を多数抱えているらしい」


「3兆円あるとの噂もある」


「景気をとことん悪くしておいて政府も日銀も何の責任を取らない・・・・それなら金なら返さん・・という人が多くなるんだよ。」


「民間の事は民間で。弱者は潰れろ、自己責任だって」


「来年は景気、よくなるかな」


「今度の首相には期待してるんだ」


「儲かったら昔のように宴会入れるからね」


「待ってるよ」


「親父さんのとこの味は最高だからね」


「ありがとう」


 


短い立ち話だけど、現場の連中は分かってるんですよ。


新自由主義が日本をメチャクチャにしたのだと。


by yuyuu-yano | 2012-12-30 10:22
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