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米国小売業のバイイング・パワー(2)

米国でビジネスを始めてから、一人の通訳と親しくなった。


重要な交渉ではお互いに通訳を入れる。


交渉が終わり、相手側の交渉担当者と居酒屋に飲みに行く時は、通訳は不要である。


「これが、俺のワイフだ、美人だろう」と自慢されて、子供の写真まで見せられ、バーベキュー・パーティに誘われても、この手の会話に、英語力の不足による意思の疎通に問題が生じても、何のトラブルも発生しない。


奥さんの写真なのに、母親の写真だと勘違いし「若いですねえ」と褒めまくっても、特に問題はない。喜ぶだけだ。


 


でも、企業間の契約内容は間違えたら甚大なトラブルとなる。それで、専門の通訳を入れて万全を期す。


 


この親しくなった通訳。


米国在住の日本人で、奥様は米国人という典型的なパターン。


愛妻家にして、恐妻家。これも典型的なパターン。


 


この男が日本の流通業を相手に、視察セミナーなるものをやっていた。


「シアーズや、ウォルマートや、サムズショップや、ホームデポなど、適当な大手流通業を視察し、これに米国流通業の現況なる専門誌の記事の切り張りのようなセミナーをプラスして募集すると、日本の流通業者が応募してくる。お前も手伝え・・・」


 


この時に、米国の大手流通業を回った。


視察の後に、彼が親しいマネージャーを連れて来てQ&Aをやる。


 


「成功の秘密は?」


「バイイング・パワーである」


 


すると日本から来た流通業者は、手帳を出して「バイイング・パワー」と記す。


 


もう、どこに行っても同じ答えである。


「お客様対応です」とか「専門的なアドバイスです」等の答えは出て来ない。


大量に売るから、安く仕入れられる。それが成功の秘密・・・・と日本の流通業者は理解する。


 


誰も「そのバイイング・パワーの源泉は何か?」とは聞かない。自明の理との認識であった。


by yuyuu-yano | 2009-07-31 12:08
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