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「シェルブールの雨傘」と洋傘店の娘

1969年、左翼学生が学内を占拠したため


この年の東京大学の入学試験が中止になった。


受験勉強をしていた連中は怒った。


東大と関係ないと思われる連中も、大いに嘆いていた。


私は、早々と浪人を決めた。


試験に落ちて浪人しました・・・ではなくて


「東大の受験が中止されたので、浪人しました」


と言えるじゃないですか。これはラッキーであった。


「今の時期に無理して入学しても、授業やってないし・・」と言えば、誰もが納得してくれる。


 


私は谷崎潤一郎の「瘋癲老人日記」を洒落て「瘋癲浪人日記」を書き始めた。


 


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この時期、読みたい本が一杯あった。


受験勉強のため、今までは我慢していたが、


 浪人時代は学校に行かないので「読みまくるぞ」と思っていた。


 


しかし「英語ぐらいは受験勉強した方が良い」との忠告もあり、5月頃から英数専門の塾に通うことにした。


 


その塾は郊外にありバスで通うことになった。


我が家より歩いて10分程度のところにバス停があった。


そのバス停は傘屋の店の前にあった。


看板に「〇〇洋傘店」と名前が出ていた。この古風な名前が気に入った。


 


映画「シェルブールの雨傘」は、フランス北部の港町「シェルブール」の傘屋の娘と、整備工場のメカニックの青年との悲恋物語である。


 


「この店にも、ドヌーブのような素敵な娘がいたりして・・・」と思っていたら、なんと居たのである。


彼女は、自分の家の前からバスに乗り、私と同じ塾に通っていた。


さらに、クラスまで同じであった。


最初の2日間は、2人黙ってバスを待っていたが、3日目から話をするようになった。


 


「シェルブールの雨傘」の冒頭部分。


最初に港を映し、それから街路を上から映す。


そして、雨が降りはじめ、雨傘が開く。


 






 


そして、最後の再開の場面。


なお、この映画は台詞の部分が100%歌と言うミュージカルである。


 






 


 


by yuyuu-yano | 2009-06-30 10:32 | 泰西映画
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