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海外で「クスリを盛られる」話(1)

貴方が海外駐在を命じられたら、奥さんは付いてくるか?


これは「夫婦の愛」にとって重要なバロメータである。


 


「子供の教育があるので、行かない」


「実家の両親が病気ぎみで、イザと言う時行かなくちゃ駄目だから」


・・・・てな理由で「あんただけで、行きなさいよ」というパターンが意外と多い。


中には「欧米なら良いけどアジアは行かない」なんてのもある。


 


昔は、夫婦は一心同体でペアで行動するのが通常であった。 また、海外では夫婦は「ペア」で行動するものと思われており、仕事関係のパーティであろうと常に一緒に行動する。


メーカーの主催するお得意様招待旅行であろうとペアの招待が通常である。


昔のテレビドラマ「奥様は魔女」の世界に近いのだ。サマンサはダーリンの上司や、上司の奥様とも常に交流しており、仕事でもダーリンを助けている。


 


そういう意味で、日本の夫婦事情はかなり特殊である。


それぞれの「生活」が大切・・・という雰囲気になっている。


 


ここでは、そのような「夫婦の愛」を考察するのが目的ではない。


海外で「クスリを盛られた」事例を連載する。


 


一つは昔の香港での話。


私の同僚の友人の奥様が、暇をもてあまして、損害保険会社でアルバイトを始めた。


日本人の観光客が、旅行保険に加入して香港にやってくる。


その時に「なにかあったら、ここに電話して」とパンフレットに書かれている「海外オフィス」でのバイトである。


 


気軽なバイトと思って始めたら「やたら忙しい、死ぬ・・・」とのことで話を聞くと。


「毎日、毎日、どうして日本人はこう簡単に騙されるのか?と思ったわよ。電話に出ても、貴方もですか・・貴方もですか・・・と言う感じだわ」


 


この時期、昏睡強盗が流行していたのだ。


パターンはいつも同じである。


観光地などで、「日本の友達から手紙が来たので、読んでくれないか」と親しげに近づく。


「今、日本語の勉強している。日本は素晴らしい国だ。日本人は優しい。日本に行きたい・・・」などと褒め上げる。


次に「お礼に。私の気持ち」とか言ってオレンジジュースを差し出す。


それを飲むと睡眠薬が入っていて、たちまち昏睡。

気がつくと、財布も、パスポートも荷物も消えている。


ジュースだけじゃなくて、クッキーに強力な睡眠薬をスプレーして「おひとつ、どうですか?」

「ありがとう」

モグモグ・・・・・昏睡。

と言うパターンもある。


 


この昏睡強盗は一時、大流行し、旅行会社がツアー客に注意を呼びかけた。


しかし、注意しても頻発する。


その理由は観光客の大部分が「そんな、探偵物のドラマや時代劇に出てくるような話が現実にあるはずがない」と思っているからだ。また「犯罪者に、そんな一発で昏睡するような薬が、簡単に入手できるハズがない」と思っている。


 


どちらも、平和ボケ症候群、過保護症候群なのである。


 


さて、被害に合ってからが、また大変である。


奪われた財布、パスポート、荷物はまず出てこないと考えねばならない。これを納得させるのが一苦労。


 


「現地の警察が、海外からの旅行者にために、必死で捜査する分けがない。だって、日本人旅行者が税金を納めている訳じゃないもの。彼らの仕事は自国民の保護。内心では、簡単に騙されて、仕事を増やしやがって・・・・と怒っているわよ」。


 


この昏睡強盗、今でも忘れた頃に被害者が出るし、最近は日本国内でも各地で発生している。


 


<おまけ>昔の香港。ウチの山ノ神撮影。


ビル群ではなく、こういう場面を好んで撮影するというのは・・・


 


海外で「クスリを盛られる」話(1)_b0302344_116381.jpg


by yuyuu-yano | 2009-02-21 10:05
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