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記者レクチャーの後で・・・・

今は、多くの統計データ、各種審議会の議事録、中間報告、最終報告などが、各省庁のホームページからPDFファイルでダウンロードできるようになった。


便利な時代になったものである。


 


「インターネットが普及する前は、どうしていたか?」


官庁に電話を掛けて、発表日を聞いて、取りに行ったのである。


 


まず、担当省庁の大代表に電話する。


そして、広報担当部署に電話をまわしてもらう。


多くの場合は、広報担当部署で分かるが、時として把握されてない。


その場合は広報担当者が、該当資料の担当部署に電話を回してくれる。


 


「資料はいつ出るのでしょうか?」


「◎月◎日に記者発表をやりますので、その後なら、お渡しできます」


「データは、すでにまとまっているのでしょう。なんとかなりませんか?」


「いやあ、記者発表の前に、お渡しする訳には・・・それは出来ないのですよ」


「発表しても、いつも記事にはならないじゃないですか」


「いや、そうですが、でも駄目なんですよ・・・」


「記者発表を早めるわけには・・・」


「ウチも大所帯なもので、様々な部署で記者発表を予定してまして、なかなか予約が取れないのです・・・」


「ううう・・・・」


「唸らないで下さい。夕方5時頃には記者発表が終わってますので、広報に来て頂ければお渡しできますから」


 


・・・・このような応酬が続き、結局は当日の夕方か、翌日の朝に取りに行くのである。


 


すると、他の会社からも広報に資料を取りに来ており、名詞を置くか、ノートに名前を書けば、資料を渡してくれるのである。


 


・・・・で、ここからが勝負なのだが、資料の他にも、それより分厚い付属資料が冊子になっていることがあり、それが実に内容が良い場合がある。


これは、担当者の机まで行かないと出てこないのだ。


今ではPDFファイルでダウンロード可能だが、当時は付属資料を入手するのが、かなり重要なポイントであった。


 


もう15年前の話であるが、ある資料の付属資料を貰いに、担当部署まで出かけた時、以下のような話をした。


 


「いや、素晴らしい資料ですね」


「今回は、特に委員の方が熱心でしたので、多方面の調査されました。それを形のあるものにまとめておきたいという希望もありまして」


「これは、後から役に立つと思いますよ。記者の人達を特別扱いにして、先に渡すのが納得いかないのですが・・・」


「いや、記者の方たちには、こうした資料はお渡ししていません」


「え・・・、では、本資料だけですか}


「いや、特に希望がなければ本資料もお渡ししません。本庁の中に常駐しているのですから、見たければいつでも見れるわけですから」


「・・・・・それでは記者発表では何を・・・」


「ポイントをまとめたぺラ2枚程度のリリースだけですよ。それをもとにレクチャーするのです。


時間は30分も無いぐらいですから、分厚い資料をお渡ししても、説明できません。


他の部署も別のテーマでレクチャーをやりますので、記者の方は1日に何回もレクチャーを受けて、次々と記事を書かれるわけです。


それに・・・記者の方は直ぐに担当が交代するのです。


慣れて分かりかけた頃には他の部署に転勤しています。なぜ、そうなのか不明ですが、それが日本の新聞社の人事なのでしょうね。だから、新人に多くの情報を与えると混乱するし、迷惑だろうと思います。理解できなくて妙な所を写されても困りますしね。」


「はあ・・・そうなんですか」


 


官庁の発表記事は、どの新聞も同じなのは、そのせいなのである。


by yuyuu-yano | 2009-02-18 23:05
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