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高品質なガソリン需要が伸びている<エネルギー問題のお勉強⑤>

 中国、インドなどで自動車の販売が伸びている。

自動車を買った人は、普通は飾っておかないで運転する。

すると、ガソリンや軽油が必要になる。

 原油は化学製品の材料など様々な用途に使われる。

 しかし、ここ数年は、自動車保有台数が増加する中で、ガソリン、ナフサ留分や灯油・軽油など、いわゆる「白油」といわれる軽質の石油製品の需要が伸びている。



 原油は産地により組成が異なる。

 ガソリン等が多く採れる軽質油は、算出量が少ない。



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 これに加えて2000年以降は欧州、米国において自動車の環境規制が強化されている。以前は日本の規制値が厳しかったが、現状では欧米が先行し、日本もこれに対応して強化しているので、あと数年で日米欧の排ガス規制値は、極めて高い位置でほぼ同水準となる。

 

 これがガソリンの品質にも関係する。

 自動車の排気ガス浄化システムをいかに高度化しても、燃料の品質が悪ければ、排気ガスは悪くなる。さらに浄化装置にも影響を与えるからである。

 そこで、数年前に日米欧の自動車及び石油業界でガソリン、軽油の品質に対する規格が作られた・

 特に、燃料中の硫黄分に対する規制も厳しくなっている。


このように高品質、軽質な石油製品が求められる中で、供給される原油は中東の硫黄分の多い重質油の比率が年々、高くなっている。


さらに米国の石油精製施設は老朽化しており、中東のヘビーで硫黄分の多い原油を精製する能力を持たない。

 この分野は長く硫黄分の多い原油に悩まされた日本の精製会社の方が遥かに優秀で、米国にガソリンを輸出する程になっている。


by yuyuu-yano | 2008-07-13 21:53
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