人気ブログランキング | 話題のタグを見る

90年代の7倍を越える信じられないような高騰<エネルギー問題のお勉強>①

世界の原油価格の指標となるのはニューヨーク原油先物市場で取引されるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)である。



これはテキサス州で産出される原油で、産出量は日量40万バレル程度と米国で1日に消費する量の約50分の1しかない。

しかし、この価格が指標となり、世界の原油価格に影響する。

欧州原油市場の北海ブレント原油、アジア市場のドバイ原油と合わせて世界3大指標原油と呼ばれる。



指標とは何か?



現実の商売では、商品も取引条件も異なるから、個々の交渉になるが、その場合にWTIの価格が参考に使われる。



「まけなはれ」

「そうは言っても客人、WTIの価格が高騰してまんがな」

「・・・とはいえ、あんたの商品は、WTIとは比べられんで・・・ごつう重い油じゃけんのう」

「ほな、ドバイを見てくれなはれ。こっちも高騰しとるで」



・・・というような指標として使うのである。



WTIはガソリン、軽油、灯油等の留分が多く、近年、需要の伸びが著しい中質油である。

一方で、日本が主に輸入しているのは、硫黄分が多く、ヘビーな中東の原油である。



中質油や軽質油はガソリンの精製が容易なので、人気があり、値上がりが激しいのである。



WTIの原油先物価格は90年代は概ね1バレル20ドル程度で推移していた。

しかし、99年を底に上昇傾向に転じ、特に07年以降は急騰した。



そして08年7月の初めには145ドルを越えた。

90年代の7倍を越える信じられないような高騰である。

なお、7月10日は142ドルであった。



先物取引については、以下のページを参照



http://yuyuu.iza.ne.jp/blog/entry/423968/



90年代の7倍を越える信じられないような高騰<エネルギー問題のお勉強>①_b0302344_2354710.jpg

by yuyuu-yano | 2008-07-12 00:03
<< 世界は景気が過熱気味<エネルギ... ガード下の悲劇 >>