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中国のシンポジウム

中国において「シンポジウム」に出た事がある。



シンポジウムは情報の交換と意見集約を目的にするもので、

そのためにテーマがあり、様々な意見を表明し、

次に論点整理があり、最後に妥協点を見出していく。

欧米では以下のような進行である。

パネラーによる、様々な意見の表明→論点整理→整理された論点をベースに参加者全体でさらに語論を深め、最終的に現時点で一致した部分を文書に残し、宣言とする。

日本人が参加して驚くのは以下の2点である。

・なぜ、こんなに会場から質問が矢継ぎ早にでるのか?

・意見を表明する人間が実に多く、これを時間内に良くぞ収めるものだ

そのため、最初のパネラーのプレゼンは短く、ポイントだけをコンパクトに発表している。

だって、議論して、様々な意見を聞くのが楽しいのでしょう。

プレゼンは早めに終わってくれ・・・というわけである。



このシステムは欧米のもので、日本でやってるのは真似事でしかない。日本ではパネラーの話が長すぎる。

質問が少なく、そのレベルが低い。

参加者全体の意見を集約するという意思と努力に欠ける。



で、中国ではどうかと言うと・・・・



中央政府の研究者達の発表を聞くだけであった。

次から次へと発表があり、それをメモを取って聞くだけである。

党の権威ある先生の意見に反論など許されないのである。

これはシンポジウムではない。



で、長い長い発表会を聞いた感想は・・・

「良く勉強してます。でも、自己流の解釈が多すぎる」であった。

彼らの論説は海外の新聞、テレビニュース、雑誌、学術論文の翻訳をベースにしている。確かに、良く調べている。

しかし、実態を知らないので解釈が違う部分が実に多い。

それを誤魔化すために、これでもかと海外の論文を引用する。

聞かされた人間は、それに幻惑されてしまう。

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中国政府が日本の現在の状況を理解してないのは、実は危険なことであるが、その原因は日本の新聞、テレビニュース、雑誌、学術論文にある。朝日新聞とNHKを見て判断したので下の対応になったのだ。

・日本中が小泉首相の靖国参拝を反対している

・一部の右翼だけが賛成しているだけである

・小泉は日本の権力構造の中で孤立している



中国では報道は国家の意思である。

だから報道されたものは、重要視する。

日本では大部分の報道が国家の意思とも

国民の意思ともかけ離れたものになり、

報道する人の個人的な趣味になっている事実。

これを理解させるのは至難である。



中国は智恵と伝統に裏打ちされた大国だと思う人間が日本に多いが、現状のレベルは呆れるほど浅い。

これは、共産主義の唯物論と官僚主義の影響である。

象牙の塔の中で文献を読んで、自己流に解釈しているだけでは進歩は無い。その連中の研究成果が

政府に影響を与えているのが現状なのである。  

by yuyuu-yano | 2006-10-09 09:58
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