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中国見本市ビジネスと、謎の早仕舞い


中国がWTOに加盟してからというもの、見本市は地方政府のビジネスになっている。



日本の紹介されるのは、ほんの一部であろう。全国いたる所で、見本市のオンパレードで、誰も全体を把握していない。



それも、まず「箱」(会場)から造りはじめるのだから凄まじい熱の入れ方だ。



イベントの企画が決まり、会場を選ぶのではない。



イベントの企画が決まり、出展を募集しながら突貫工事で会場を造るのだ。全国至る所に、幕張メッセも真っ青な豪華会場が続々と造られていく。日本でも1990年代には不景気を理由に、地方に豪華なレジャー施設や研修施設を作ったが、それをさらにエスカレートした状態だ。



会場を造れば道路も必要になる。見本市をやれば、まずは会場とインフラ作りの土木工事で雇用は確保できるのである。

 



来客の方はどうか。まだ、見本市が珍しいので、これがけっこう入るのである。



露出度の高いコンパニオンが登場すれば、つい先日まで人民服だった観客は、それだけで喜んでしまう。展示品を見るというより、お祭りの雰囲気である。それでも、観客が入れば出品者もそれなりに集まる。



 



こうした見本市の主催者側が日本人に言う台詞は決まっている。



「欧米は熱心なのに日本は非協力的だ。



同じアジアの国なのだから、もっと協力して欲しい」



こうした台詞にコロリとやられる初心な日本人もいるから注意が必要だ。



彼らは欧州人には「日米は熱心なのに欧州は非協力的だ」と言っているに違いないのである。「中国は大市場。日米に取られてしまうよ」と脅しているのだろう。でも、その目的は出展料の確保であり、それ以上でも以下でもない。



 



出展者がまじめに商売をやる気があるのか?



疑問に思うことも多々ある。 



見本市が始まり、会場周辺の道路が渋滞しタクシーの運ちゃんに乗車拒否される程に会場が混雑しているのに、会場内では不思議な光景が散見される。 



まだ、ショーが始まったばかりなのに、店仕舞いを始めるブースが多々あることだ。



「なんで始まったばかりなのに、閉めちゃうの?」



 



理由は様々であるが、一番多いのは、



初日は、その会社のトップ、幹部社員が常駐して、招待客の相手をするが、2日目には「後は任せたよ」と帰ってしまう。



すると、監督する人がいなくなるので、社員は店をたたんで遊びに出かけるのである。



企業のロイヤリティというものは文化であり、そう簡単に育つものではない(日本企業の若手社員は大丈夫かいな?)。



 



なお、見本市における「早仕舞い症候群」は、中国本土の見本市だけで見られる現象はない。米国の見本市でも、某国の出品者ブースでは、同様の症状が見られるのである。歯の抜けたような展示場は、見栄えが悪いので、彼らは徐々に会場の片隅に追いやられている。


by yuyuu-yano | 2006-09-07 23:48
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